よくある質問

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譲渡制限株式の譲渡の際の注意点line

 当初、仲の良かった者同士で、譲渡制限株式を保有して
いたが、仲違いし、その株を譲渡したい場合、どのような点に
注意する必要があるでしょうか。

 譲渡制限株式の株主は、保有する株式を他人の譲渡しよ
うとする場合、会社に対し、その他人に譲渡することについて
承認するかの決定をすることを請求できます(会社法136
条)。
 ただ、仲の良かった者同士ですから、譲渡しようとする株主
が、取締役であった場合が多いでしょう。取締役であると、特
別利害関係人になるため、取締役会での議決に加わることがで
きません。
 そのため、会社が承認しない場合がでてきます。承認されな
いと、売買が成立しないことになり、譲渡人と譲受予定者の間
での譲渡代金も意味がなくなります。
 もっとも、会社が承認しない場合には、会社または買取人が
買取ることを請求することができます。
 会社が譲渡の承認をしないと、会社が買い取る旨の通知をす
るか、会社から指定された買取人が買い取る旨の通知をしてき
ます(会社法141条Ⅰ・142条Ⅰ)。その通知によって、
株式の売買は成立してしまい、売買契約を一方的に解除するこ
とができなくなります。さらに、通知から20日以内に、裁判
所に売買価格の決定の申立をしないと、会社・買受人が供託し
た額が売買価格となってしまいます(会社法144条Ⅴ・Ⅶ)。
買取指定の通知が来た場合、迅速に対応する必要があるわけで
す。

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弁護士 藍原 義章
弁護士 鳥生 尚美
(第二東京弁護士会所属)

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