私傷病休職ーその2:休職事由の有無
私傷病休職として認められるには、休職事由が必要であるが、その判断基準は何か。
雇用者は休職命令を発令し、労働者が休職事由がないと争ったり、労働者が休職を申
し出た際、雇用者が休職を認める際に、休職事由の有無が問題となります。
この点につき,雇用者と労働者との間の労働契約において職務限定特約がある場合、
休職事由として、労働者の労働契約上の担当業務について労働者の疾病により業務支障
が生じていることが必要です。
他方,労働契約に職務限定特約がない場合は,片山組事件における最高裁判決によると,
労働者が他業務での労務提供を申し出ている場合には,雇用者は,労働者の配置や従事可
能な業務の存否の検討に係る配慮を尽くしたことを主張立証しないと,労働者において適
法に労務提供の申出をしたことになり,休職事由は認められないことになります。
H29.12.3現在